みんなで守る永代供養納骨堂

専明寺(下松市)浄土真宗

王貞治さんの話【365日法話】

今日は何の日かご存じですか??私の誕生日ではありません。
今日は、国民栄誉賞の日なんです。
1977年のこの日、2日前の93日に通算ホームラン数の世界最高記録を作った王貞治が、
日本初の国民栄誉賞を受賞した。国民栄誉賞とは、前人未到の偉業を成し遂げ、多くの国民
から敬愛され、夢と希望を与えた人に贈られる賞である。そのホームラン記録は、868本です。
実に1年で40本を打つことを20年続けても追いつけないのですから、その記録の凄さが分かります。
その王さんが、引退する時に言った言葉をご存知でしょうか。
「王貞治としてのバッティングができなくなった」
これが引退の際に残された言葉です。
世界記録ともなれば、プレッシャーもあったことでしょう。
22年間の現役生活から開放された瞬間とも言えるでしょう。
そうして、現役を引退してからは、監督に就任されるわけですが、
今度は育てる側に回られたのです。やはりこれも大変有り難いことであります。
ずっと現役で働き続けることはできません。それは誰もが頭の中で分かっていることでしょう。
けれどもいざ自分の順番となると、もう少し出来ないかと色んなことを考えるものじゃないですか。
命終えて行くということも、似ているように思います。やがて命終えることは頭で分かっていても、
身体がついてこなくなります。やがて終える命を前に、自分はどうなってしまうのだろうか・・・
それは、仏となり、今度は仏の仕事が忙しくなるのです。この世界に残していった大切な人々を導く
尊い存在へと変わるのです。
親鸞聖人のお言葉に(『教行信証』証巻)
還相の回向といふは、すなはちこれ利他教化地の益なり。すなはちこれ必至補処の願(第二十二願)
より出でたり。また一生補処の願と名づく。また還相回向の願と名づくべきなり。
とあります。往生浄土とは、浄土(仏国土)に往き生まれることです。最後の一歩のさきには、
このお浄土があるのですが、そこに留まることはありません。今度は還来穢国といって、
この世界(穢国・けがれの世界)に還って来て、人々を導いていくというのです。王貞治さんも
超一流の選手でありましたが、一人で一流になったのではありません。やはり周りに導いてくれた
お育てくれた方々がいらしゃったのでしょう。そして、自分も引退してから、残された人々を支え
導く人格者であり続けたことでしょう。
私のいのちも、やがては仏となる命でありました。