(書き下し)五濁悪時の群生海、如来如実の言を信ずべし
(現代語訳)五濁の世の人々は、釈尊のまことの教えを信じるがよい
五濁について
・劫濁とは、対立や戦争の絶え間ない時代の濁り
・見濁とは、仏の教法を否定してかえりみない思想の濁り
・煩悩濁とは、五欲の追求に飽くことない思想の濁り
・衆生濁とは、人間の資質が低下して邪悪な行為の増える衆生の濁り
・命濁とは、生を愛しつつも、いのちを粗末にし、生死の問題をおろそかにするありさま
この五濁とは、阿弥陀経にも説かれている事なのでご覧になってください。
お経の終盤に書かれてあります。
人間の本質を考えてみますと今も昔も変わっていません。
お釈迦様がお生まれになったのは2500年前でありますが、その時に
五濁にまみれた私であったとお説きになられたのですが、今も変わっていませんね。
私にとって、心の中では相手と対立し、御法義に満たされた生活の中でも
忘れてしまう私であり、五欲の煩悩をぬぐい去ることは出来ません。ましては、
資質は低く、他の命の上に生活させていただいておる身であります。
その私に気づいた時に、阿弥陀様の御言葉をただただ信じる他に
別の手立てなしという事が分かります。
(この他に・・・)
如来所以興出世 唯説弥陀本願海 五濁悪時群生海 応信如来如実言
という御文について、親鸞聖人が何度も手直しをされています。
親鸞聖人が、生涯をかけてお書きしるしになられた書物が『教行信証』
でありますが、そのお書物が6部構成となっています。「経巻・行巻・
信巻・証巻・真仏土巻・化身土巻」というものです。
その「行巻」末にお記しになられたのが「正信偈」になります。
なんども生涯をかけて、加筆修正をされているので、是非複製本があるので、
機会があれば是非ご覧ください。本堂裏にあります法中部屋にかけてあります。
五濁悪時群生海 応信如来如実言