新しいお寺のかたち

専明寺(下松市)浄土真宗

如来所以興出世 唯説弥陀本願海

(書き下し)如来、世に興出したまふゆゑは、ただ弥陀の本願海を説かんとなり
(現代語訳)如来が世に出られるのは、ただ阿弥陀仏の本願一乗海の教えを説くためである
この御文から、お釈迦さまがこの世にお出ましになった目的は一つ。
阿弥陀様の本願の教えを説くためであったと説かれています。
世の中には、たくさんのお経典があり、たくさんの諸仏・諸菩薩がいらっしゃいます。
その中でも、特に有名な方はお釈迦さまであります。
お釈迦さまは、2500年前インドでお生まれになりました。29歳で王位を捨て、
家族を残しで出家され、35歳で悟りをひらかれました。そして80年の生涯の間に、
たくさんのお弟子様に囲まれて、たくさんのお話を残されました。
お釈迦さまが亡くなられた後、自分たちが聴聞した中で、「私はこのような話を
お釈迦さまから聞かせていただきました」という仏説のお経典が存在しているの
です。それが、様々なお経典が存在している理由となります。
その中でも、仏説無量寿経(大経)には先ほど述べましたように、
「私がこの世に生まれてきた訳は、阿弥陀様の本願を説くためであった」と、
おっしゃられていることから、私ども浄土真宗では仏説無量寿経を正依(正しく
依りどころとする)の経典とするのです。
たくさんの経典が存在しますが、お釈迦様が最も伝えたかった事は、仏説無量寿経で
あったことが分かります。
(ここから難しくなります)
この御文は、仏説無量寿経を出拠としています。
出世本懐の文(もん)と言います。
その原文を掲載します。
(原文)
如来以無蓋大悲矜哀三界所以出興於世光闡道教欲拯群萌恵以真実之利
(書き下し)
如来、無蓋の大悲をもつて三界を矜哀したまふ。世に出興するゆゑは、
道教を光闡して、群萌を拯ひ恵むに真実の利をもつてせんと欲してなり。
(現代語訳)
如来はこの上ない慈悲の心で迷いの世界をお哀れみになる。世にお出まし
になるわけは、仏の教えを説き述べて人々を救い、まことの利益を恵みたいと
お考えになるからである
この如来とは、お釈迦様を指します。