ある百回忌の法事

年回忌
いつ法事をすればいいのか

  2024年に法事が必要なのは に亡くなられた方になります。 法事を行うのに、慣れている人は多くありません。 誰だって最初は不安の中で当日を迎えます。 このホームページを見て、少しでも不安 ...

続きを見る

法話

ある時、百回忌のご法事をお勤めした後、会話の中で故人との関係を聞いてみますと、
「私の姉です。」という返事に驚きました。詳しく話を聞いてみますと、
姉は生まれてすぐ亡くなったんです。私よりずっと年上でした。
周りはもう百回忌しなくていいんじゃないのって言ってましたが、
もし母が生きていたらどうしただろう。きっと百回忌を勤めたと思うんです。
母に変わって私が勤めよう。母の苦労を偲ぶと思って
本日こうして勤めさせていただいたんです。
その言葉にうなづきなががら「お母さん、お浄土喜んでおられるでしょうね」と申しますと
母は本当に苦労に苦労を重ねて私どもを育ててくれたんです。
その母が99年前、待ちに待った我が子を亡くし、どれほど泣いたことでしょう。
母を泣かせた姉です。母を泣かせた姉ではありますが、
母に手を合わせ、お寺に参るようにさせたのも姉です。
そんな母に育ててもろうたお陰で今日の私があるのです。
生まれてすぐ亡くなった姉ではありますが、
母に、そして私にお念仏申させてくれたのです。
目にうっすらと涙をうかべながら仏教に出遇えたきっかけ(仏縁)をお話くださいました。
どのような命も、この私を仏教に導いてくださる尊い御縁(おはたらき)です。
お念仏の世界は、それらすべての命が尊い仏縁と味わえる世界なのです。

-法話