ある百回忌の法事

年回忌
no image
いつ法事をすればいいのか

2023年に法事が必要なのは に亡くなられた方になります。 法事を行うのに、慣れている人は多くありません。 誰だって最初は不安の中で当日を迎えます。 このホームページを見て、少しでも不安が無くなればと ...

続きを見る

法話

ある時、百回忌のご法事をお勤めした後、会話の中で故人との関係を聞いてみますと、
「私の姉です。」という返事に驚きました。詳しく話を聞いてみますと、
姉は生まれてすぐ亡くなったんです。私よりずっと年上でした。
周りはもう百回忌しなくていいんじゃないのって言ってましたが、
もし母が生きていたらどうしただろう。きっと百回忌を勤めたと思うんです。
母に変わって私が勤めよう。母の苦労を偲ぶと思って
本日こうして勤めさせていただいたんです。
その言葉にうなづきなががら「お母さん、お浄土喜んでおられるでしょうね」と申しますと
母は本当に苦労に苦労を重ねて私どもを育ててくれたんです。
その母が99年前、待ちに待った我が子を亡くし、どれほど泣いたことでしょう。
母を泣かせた姉です。母を泣かせた姉ではありますが、
母に手を合わせ、お寺に参るようにさせたのも姉です。
そんな母に育ててもろうたお陰で今日の私があるのです。
生まれてすぐ亡くなった姉ではありますが、
母に、そして私にお念仏申させてくれたのです。
目にうっすらと涙をうかべながら仏教に出遇えたきっかけ(仏縁)をお話くださいました。
どのような命も、この私を仏教に導いてくださる尊い御縁(おはたらき)です。
お念仏の世界は、それらすべての命が尊い仏縁と味わえる世界なのです。

-法話